育毛剤を選ぶ際に一番チェックしたいのが有効成分です。
育毛剤の生命線とも言えるもので、各メーカーの独自研究の成果がそこに詰め込まれているのですから当然です。
ただし、同じ成分であってもそれぞれの成分バランスには各メーカーが独自に導き出した黄金バランスが活かされていますので、効き方はまったく同じということにはなりません。
まずは元となっている成分についてきちんと知っておいて、その上で各製品を比較するとより深く絞り込みが出来るようになります。では、すべてとまではいきませんが、最近高い人気を誇る育毛剤に採用されている成分についてまとめてみましょう。
ジヒドロテストステロン(DHT)抑制成分
ジヒドロテストステロン(DHT)というのは、中年期以降の男性がそれまでの男性ホルモンの代わりに体内で作り出す強力なホルモンです。
通常の男性ホルモンはテストステロンというものですが、加齢などでテストステロンの分泌量が少なくなると、それを補うためにテストステロンがジヒドロテストステロンに変化すると考えられています。
ジヒドロテストステロンはテストステロンより強力な作用があり、テストステロンを5αリダクターゼという酵素が変化させることで生み出されます。
男性の身体を男性らしく保つために作用するのですが、このジヒドロテストステロンこそ頭髪の脱毛因子を作り出す原因となります。
このホルモンが毛母細胞を攻撃するため、毛周期は短くなり、薄毛が進行するため、このホルモンを生成しないために5αリダクターゼの働きを阻害する成分を育毛剤として配合しています。
AGAの治療薬であるプロペシアもこの種類ですし、他にもノコギリヤシやオウゴンエキスなども同じ働きを持っていることが分かっています。
他には、女性ホルモンと似た働きをすることで有名な大豆イソフラボンも有効で、育毛剤にも大豆エキスが配合されることが多くなっています。
一般的には、医薬成分は副作用の危険があるため、それを避けて高い効果のある植物由来の天然成分が配合されるのが現在のトレンドと言えます。
血行促進成分
髪の毛を作る毛乳頭の毛母細胞に栄養素を運ぶために、毛細血管の先までしっかり血液を循環させる成分が育毛剤の主成分となる場合もあります。
頭皮に血液量が足りなければ、どんな人でも髪の毛が薄毛になることは事実です。細胞分裂を活性化させるには、絶対に血液が必要だからです。
頭皮の血行改善に高い効果があるとされる成分は、医薬成分ではミノキシジル、ピディオキシジルなど、他にはセンブリエキスやニンジンエキス、ニンニクエキスなど漢方にも通じる成分に注目が集まっています。
近年注目度の高いピディオキシジルはミノキシジルの誘導体で、ミノキシジルの副作用が低減された画期的な有効成分です。
毛母細胞活性化成分
髪の毛を作れるのは毛母細胞だけなので、毛母細胞の分裂を促進させる成分は育毛剤にはかなり期待度の高い成分となります。
これは主に崩れてしまったヘアサイクルを改善するために配合されるもので、髪の毛が強く長く成長する成長期の期間を正常化させたり、休止期を短くして眠っている細胞を働かせたりすることで新しい髪の毛を作る成分です。
育毛という意味では、髪の毛1本1本のハリやコシを強くして、太い髪を作る効果も期待出来るのは嬉しい点。
海藻エキスであるM-034や、女性の美容にも欠かせないプラセンタ、トリートメント成分としてもよく知られるパンテノールやケラチノサイト成長因子などが今注目の成分です。
また、毛母細胞が活発に活動するためには、頭皮環境を整える必要があるため、乾燥や皮脂の過剰分泌を抑えたり、炎症を抑制したりする成分も有効です。
湿疹にも効果のあるグリチルリチン酸ジカリウムなどは代表的な成分と言えるでしょう。
育毛剤博士
薄毛の原因は1つだけではないことが多いのじゃから、上記3タイプの成分がバランスよく含まれておる育毛剤を選ぶのも一つの選択肢じゃな。